【第74期王座戦】塚田九段vs谷合五段に学ぶ「歩」を使いこなすさばきの技術

実践解説

こんにちは、kuronaです。

今回は2026年1月19日に行われた第74期王座戦一次予選、塚田泰明九段と谷合廣紀五段の一戦を紐解いてみたいと思います。

先手が塚田九段、後手が谷合五段。後手の四間飛車に対して、先手が急戦を仕掛けていく展開となりました。それでは、私が個人的に「おっ」と気になった局面をいくつかピックアップしていきます。

         図は34手目△4五歩まで

第一感

図は、先手の▲5五歩に対して、後手が△4五歩と突き返した局面。 直感的には思いついたとしても、実戦ではなかなか勇気がいる一手だと感じました。銀が前に出てくるのを許しますし、角道が通って一時的に歩損になります。この後に△5五角と出る構想があれば指せますが、それでも「角交換は振り飛車不利」という定説が頭をよぎり、私なら躊躇してしまいそうです。

考えてみると

しかし、ここで△4五歩と反発できないと、居飛車側に一方的に攻められて苦しくなってしまうのでしょうね。 角道が開くのはお互い様ですし、現時点では後手の陣内に角の打ち込み場所はありません。歩もすぐに取り返せる形です。こうして冷静に眺めてみると、この△4五歩は相手の攻めを逆手に取って反撃を狙う、まさに「振り飛車らしい」一手だったと言えます。

         図は41手目▲2八飛まで

第一感

▲2四歩△同歩と突き捨ててから、3八の飛車を▲2八飛と寄った局面。 これを見たとき、「後手の飛車を捌かせてしまうし、せっかくの3五の位も失うのではないか?」と疑問に思いました。飛車は3八にいた方が働きが良い気がします。実際、△3五飛となると銀にも当たってしまいます。

考えてみると

とはいえ、その後の進行を見ると、先手だけが▲2一飛成と成り込める形になっています。一方で後手の4五の飛車は、思うように動けず不自由です。この「成れるか成れないか」の差に先手は利を見たのかもしれません。 また、飛車が3八に居座っていると、将来的に△2七角の両取りを食らう筋もあります。そのリスクを早めに回避した手だったのかもしれないと思いました。

         図は54手目△5七歩成まで

第一感

▲8八銀の馬取りに対し、△5七歩成と成り捨てた局面。 私なら、せっかく作った拠点を自分から消すようで、かなり抵抗を感じる手です。馬取りも残っていますし、何より金が飛車に迫ってくる圧迫感が怖い……。

考えてみると

これは、最終盤まで取っておくと手抜かれる恐れがあると見て、この瞬間に成り捨てたのでしょう。驚いたことに、この一手があったからこそ、本譜の鮮やかな詰みへと繋がりました。 もし仮に▲9九銀と馬を取れば、△5八と▲同金△5七歩……と流れるように攻めて、後手の飛車が成り込める形になります。 こうした「最適なタイミングで成り捨てる」感覚は、実戦で真似してみたいものです。本当に勉強になります。

今回の対局は、とにかく「歩を使った軽い手」が非常に参考になりました。 △4五歩や△5七歩成のような手をさらっと指し、さばき(盤上にある駒を活用すること)や次の攻めにつなげられるようになれば、私の勝率ももっと上がるのではないかとワクワクしています。

・棋譜検索:将棋DB2
・図面作成:Shogipic

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