第84期順位戦C級2組:日浦市郎八段 vs 横山友紀四段を振り返る|穴熊に立ち向かう「玉の広さ」の構想

実践解説

こんにちは、kuronaです。

今回は、2026年1月15日に行われた第84期順位戦C級2組8回戦、日浦市郎八段と横山友紀四段の一戦について考えていこうと思います。

先手の日浦八段による居飛車穴熊に対し、後手の横山四段が四間飛車から8筋に飛車を回って攻めていく展開になりました。 それでは、私が気になった局面を順番に見ていきましょう。

         図は34手目△6三銀まで

第一感

図は、先手が▲9八香と穴熊を目指したのに対して、後手が△6三銀と上がった局面です。 この手を見たとき、自玉が薄くなってしまいそうで、私にはとても指せない手だと感じました。しかも相手は堅陣の穴熊を目指しています。正直なところ、「玉を囲わないで何をやっているんだろう」と驚いてしまいました。 ちなみに、もし私がこの展開になったら、無難に銀冠へ囲うくらいしか思いつきません。

進めてみると

数手進めてみると、△7二金〜△4一飛〜△8一飛と飛車を8筋に回して攻めていこうという構想だとわかりました。 固い穴熊に対して、こちらは玉の広さで対抗していこうということなのでしょう。しかし、今の私の棋力ではあっさり攻め潰されそうで、到底指しこなせる気がしません。おそらく、かなりの力量を必要とする高度な指し方なのだと感じました。

         図は74手目△7五銀まで

第一感

図は▲6四角の飛車取りに対して、後手が△7五銀と打った局面です。 この手を見た瞬間、私は「銀がタダじゃないか!」と衝撃を受けました。 仮に▲7五同歩ならば△8三歩と叩いて攻めていこうという意図でしょうか。とにかく、私には全く思いつかない強烈な一手です。 私なら、おそらく△8一飛と引いて、それからじわじわと攻めを狙うと思います。

考えてみると

可能性として考えられる理由は、以下の二つでしょうか。

・△8一飛だと先手から速い攻めがあった?
・飛車を引くよりも、銀を捨てて寄せに行けると判断した?

少し深く考えてみた結果、私は前者の方が可能性が高いと思いました。 後手は、相手に手番を渡して▲5八飛のような手を指されるのを嫌ったのではないでしょうか。この手は▲5三角成からの詰めろなので何か受けなければいけませんが、△6三金のような受けだと▲7三角成から一気に攻め込まれそうです。 このように整理してみると、攻めが好調なようでも後手にあまり余裕はなく、ここで寄せを狙いに行く判断は正しかったのかもしれない、と腑に落ちました。

         図は110手目△8六歩まで

第一感

図は後手の△8六歩を見て、先手が投了した局面です。 例によって、「なんでここで投了なんだろう」と首をかしげてしまいました。確かにこのまま△8七歩成とされればまずいですが、普通に▲8六同歩で取れるのではないでしょうか。 4四の銀さえ取れれば、先手もまだまだ戦えるのでは……と思ってしまいました。 恥ずかしながら、仮に私が後手を持った場合、ここから逆転負けする可能性も十分あると感じます。

正直、よくわかりませんが…

▲8六同歩には、△8七歩▲同銀△6九角といった狙いがあるのでしょうか。 ただ、▲8八歩などと受けられて、特に問題なさそうにも見えます。 無理やりひねり出してみると、▲8六同歩には△7四桂も考えましたが、そこまで厳しそうには見えません。 とはいえ、実際に投了している以上、プロの眼から見ればはっきりと勝負が決しているのでしょう。今の私にはその理由が完全には理解できませんでしたが、いずれはわかるようになりたいものです。

今回の対局では、特に82手目以降の後手の受け方が参考になりました。 かなり薄いとはいえ、先手は王手のかからない穴熊です。一歩受け間違えて食いつかれると、一気に負けてしまうはず。その点、受けるべきところはしっかり受けて、相手の攻めをいなしてから寄せに行く技術は「さすがプロだ」と思いました。

私は今のところ相穴熊を目指すつもりはありません。そのため、今回の後手のように「薄い玉で戦う」局面になることが多いと思うので、この冷静な指し回しをしっかり見習いたいと思います。

・棋譜検索:将棋DB2
・図面作成:Shogipic

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