こんにちは、kuronaです。
今回は2026年1月30日に行われた「ヒューリック杯第97期棋聖戦二次予選」、鈴木大介九段 vs 八代弥八段の一戦を振り返ってみたいと思います。
先手が鈴木九段、後手が八代八段。戦型は先手の三間飛車に対し、後手が急戦模様で仕掛けるスリリングな展開となりました。私が気になった局面をいくつかピックアップして考えていきます。
35手目:▲2七銀

第一感
銀冠を目指して先手が▲2七銀と上がった局面です。 一目、この手は玉の脇が空くので指しにくいと感じました。△8六歩からの攻めが常に見えているので、いったん▲8八飛と受けてから銀冠を目指す方が自然ではないでしょうか。
考えてみると
もしかすると鈴木九段は、あえて△8六歩を誘っていたのかもしれません。
しかし、美濃囲いであれば多少の攻めは耐えられますが、▲2七銀と上がったこの瞬間には隙が多く、技がかかりそうなのが気になります。実際、本譜もこのタイミングで仕掛けられ、陣形がバラバラになった先手は収拾が大変そうに見えました。流れを振り返ると、ここでの銀冠構想は少し無理があり、やはり▲8八飛と自重すべきだったのかなと感じています。
77手目:▲6七金寄

第一感
△5五香の金取りに対し、▲6七金寄とかわした局面です。 ここはシンプルに▲5六歩で受かるのではないか?と思いました。私なら、あまり考えずにそう指してしまいそうです……。実戦は、ここから△5九龍と侵入を許し、寄せを早めてしまった印象を受けました。
考えてみると
なぜ▲5六歩と打たなかったのか。検討してみると、▲5六歩には△同香 ▲同金 △5九龍という順が厳しそうです。 ここで▲5七金上ならどうかと考えましたが、△4八龍が「王手銀取り」になってしまいます。持ち駒に歩しかない先手にとって、この受けは非常に困難ですね。実戦のプレッシャーの中では見落としそうな筋なので、気をつけなければいけないと勉強になりました。
80手目:△6二龍

馬を狙って△6二龍とした局面。 私なら、まず発見できない華麗な一手です。冷静に分析すれば、角と「飛車・銀」の交換で駒損にはなりますが、それ以上に「速度」を重視した終盤らしい決断でした。
後手の持ち駒に角が入れば△3九角で即詰みです。そう逆算すれば「どうやって角を手に入れるか」という発想でこの手に辿り着くのかもしれませんが……。次の一手問題に出てきそうな派手な手は、実戦ではかえって見逃しがちですよね。いつか私も、こうした一着を指せるようになりたいものです。
感想
今回の一戦は、先手の粘りを許さない後手の鋭い寄せが非常に参考になりました。 特に、駒不足で攻めあぐねそうな場面での△6二龍は、見ていて本当に気持ちのいい一手でしたね。
振り飛車側としては、陣形を整えきる前の隙を突かれてしまったのが敗因だったように思います。プロの対局であっても、形の乱れは致命傷になりかねません。私自身も振り飛車を指す際は、駒組みの隙を作らないよう、より一層注意を払いたいと思います。
参考資料等
・棋譜検索:将棋DB2
・図面作成:Shogipic

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