こんにちは、kuronaです。
今回は、2026年1月28日に行われた第39期竜王戦1組ランキング戦、菅井竜也八段と三浦弘行九段の一戦について考えていきたいと思います。
先手が菅井八段、後手が三浦九段でした。戦型は先手が中飛車に構え、それに対して後手が先手の飛車を抑え込もうという、振り飛車側としてはかなり苦労しそうな流れになりました。
それでは、私が気になった局面をいくつかピックアップして考えていきたいと思います。
55手目:▲9六飛

第一感
図は、△5五銀左の飛車取りに対して、▲9六飛とかわした局面です。 最初この手を見たときは、正直なところ、自分の目を疑ってしまいました。 なぜなら、ここからシンプルに△9五歩と突かれるだけで、飛車が死んでしまうように見えたからです。
考えてみると
しかし、少し落ち着いて考えてみると、△9五歩は先手が局面を打開するきっかけになってしまうのかもしれない、と思い直しました。
△9五歩には▲同角と取り、仮に△同香▲同飛となれば、先手の飛車が成り込める形になります。こうなれば先手の美濃囲いも堅いですし、振り飛車側も十分に戦えるはずです。また、角を放置すれば▲7三角成という楽しみもあります。
現状、先手は飛車が窮屈な状態なので、あえて△9五歩を誘うことで状況を打破しようと判断したのではないでしょうか。
71手目:▲7二歩

図は、▲7二歩と垂らした局面です。 一見すると膠着していそうな局面で、私ならば次に何を指せばいいか分からなくなりそうですが、このような攻め方があるのかと勉強になりました。 △7二同飛と取らせれば、▲7四歩△同金から▲3三角成〜▲8三銀という狙いがあるのだと思います。
このまま放っておいても、▲7二歩成〜▲7二とで同様の手順になります。 いずれにしても、後手からの速い攻めがないと見越して、じっくりと攻めの形を作っているのが非常に参考になりました。 こうした実戦的な小技を使いこなせるようになれば、勝率も上がっていくのではないかと感じます。
102手目:△3六歩以降の終盤戦

図の△3六歩のあたりから、最終的には160手を超える激しい終盤戦へと突入しました。 銀捨てから飛車を切ったり、角を1枚犠牲にして飛車を取りにいったり……。目まぐるしく局面が動いて、私には何が起きているのか完全には把握できないほどでした。ですが、派手な手が次々と飛び出す展開は、見ていて本当に面白い終盤戦でした。
特に、美濃囲いの急所である玉のコビン(玉の斜め前のマス)を攻められたあたりは、自玉がどんどん薄くなっているので、振り飛車側がもうダメなのではないかとハラハラしてしまいました。 私ならば心が折れてしまいそうな局面が続いていましたが、最後まで正確に指し続ける姿は、さすがプロだと圧倒されました。
感想
今回は長手数におよぶ内容の濃い一局でしたが、特に序盤から中盤にかけての「先手の飛車の扱い方」がとても参考になりました。 歩の上に飛車が乗って窮屈になり、私ならば対応を誤って形勢を損ねそうな局面が続きましたが、小技を駆使してうまく打開していたのが印象的です。
石田流などを指す際にも飛車が窮屈になってしまうことがありますが、今回のような対応を自分でも指せるようになりたいと思いました。
参考資料等
・棋譜検索:将棋DB2
・図面作成:Shogipic

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