薬を飲み忘れたらどうする?やってはいけない対応と正しい対処法

一般の皆様へ

こんにちは、kuronaです。
「薬を飲み忘れてしまった…」という経験は誰でもあることだと思います。そんなときに、2回分をまとめて飲むなど自己判断で対処していませんか?実は薬によっては、そのような対応は危険になることがあります。

今回は、薬を飲み忘れたときにどのように対応すべきか、薬を飲み忘れないための工夫などについてまとめていきます。

出典:写真AC

治療効果が十分に得られなくなる

薬は体内に吸収されると、血液中で一定の濃度を保つことで効果を発揮します。しかし、薬を飲み忘れると濃度が下がり、効果が十分に発揮できなくなる可能性があります。
特に抗生物質を飲み忘れると、菌が生き残ってしまい、耐性菌が発生するリスクがあるとWHO(世界保健機関)も警告しています。

病気の再発や重症化のリスクがある

特に慢性疾患の薬を自己判断で中止すると、症状が再発したり、以前よりさらに悪化したりする可能性があります。日本糖尿病学会や日本高血圧学会でも、服薬を続けることが治療の基本とされています。

気づいたらすぐに1回分を服用

次の服用時間までに十分な間隔があれば、気づいた時点で服用して問題ありません。

次の服用時間が近いときはスキップ

次回が近いときに飲むと、短時間で2回分を摂取したことになり、血中濃度が急激に上がって副作用のリスクが高まります。そのため「1回分飛ばす」が基本です。
厚生労働省「くすりのしおり」でも「気づいた時に服用し、次回が近い場合はスキップ」と明記されています。

2回分をまとめて飲まない

「忘れた分を取り戻そう」として一度に2回分を飲むのは危険です。血圧を下げる薬では低血圧、糖尿病薬では低血糖が起こる可能性があります。

ここでは、薬の種類ごとの飲み忘れたときの注意点を紹介します。薬の性質や服用目的によっては、取るべき行動が変わることがあります。

一般的な薬(高血圧薬・糖尿病薬など)

気づいたときに服用します。ただし、次の服用時間が近ければスキップします。

抗生物質

中途半端に服用すると耐性菌のリスクがあります。1回でも忘れた場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

頓服薬(痛み止めなど)

症状があるときだけ使う薬のため、飲み忘れは大きな問題になりません。必要のないときに無理に飲む必要はありません。

抗がん剤や抗てんかん薬などの特殊な薬

飲み忘れが治療効果に大きく影響することがあります。日本てんかん学会でも「血中濃度を安定させることが再発予防に不可欠」とされています。必ず主治医に相談してください。

出典:写真AC

薬を飲み忘れると、「なんとか取り返そう」と自己判断をしてしまいがちです。しかし、自己判断で薬を服用すると、症状の悪化や副作用のリスクを高める原因になってしまいます。以下の点は特に注意してください。

2回分まとめて飲む

薬の血中濃度が上昇し、副作用が出現するおそれがあります。

他人の薬で代用する

同じ病名でも、体格・年齢・併用薬の有無などによって適切な薬や用量が変わります。
必ず、自分に処方された薬を飲むようにしてください。

自己判断で中止する

症状の再発や悪化のおそれがあります。

服薬スケジュールを勝手に変える

「飲み忘れてしまったから、飲む間隔を短くしよう」などというのはいけません。薬を飲む間隔を守らなければ、薬が効きすぎたり効かなかったりして、期待したような効果が得られない可能性があります。

ピルケースを利用する

薬を曜日ごと・朝昼夕ごとに分けられるので、飲み忘れ防止に効果的です。
また、ケースが空になっていることで飲んだことが確認できるので、重複して服用することを避けることができます。

スマホのアラームや服薬アプリを活用する

アラームを食事の時間に設定したり、専用の服薬管理アプリを使うことで、飲み忘れを防げます。
通知が繰り返し来るタイプのアプリなら「気づかずに忘れる」リスクが大幅に減ります。

食事や生活習慣とセットにする

「朝食後」「歯磨きの後」など、すでに習慣になっている行動とセットにするのも有効です。
薬の服用時間を単独で覚えるより、生活のリズムに組み込むことで忘れにくくなります。

外出時は予備を持ち歩く

外出や旅行のときに飲み忘れが起きやすいため、あらかじめカバンや財布に予備を入れておくと安心です。
また、旅行の際は日数分より少し多めに準備しておくと、予定が延びたときにも対応できます。

家族や周囲に協力をお願いする

高齢者や持病のある方の場合、家族が声をかけることで飲み忘れを防ぐことができます。
特に認知機能が低下している方は、周囲のサポートが欠かせません。

・薬を飲み忘れたときは「気づいたらすぐに1回分」「次回が近いならスキップ」が基本。
・2回分まとめて飲む、他人の薬を使う、自己判断で中止するのは危険。
・薬の種類によって対応が異なるため、不安なときは医師や薬剤師に相談しましょう。
・飲み忘れを防ぐ工夫を取り入れることで、安心して治療を続けられます。

薬は正しく服用を続けてこそ効果を発揮します。もし飲み忘れてしまっても、慌てずに正しい対応を取り、必要に応じて専門家に相談するようにしましょう。

本記事は一般的な医療情報をわかりやすくまとめたものであり、診断や治療の代替となるものではありません。実際の服薬方法は体質や病状によって異なります。服薬や体調に関して不安がある場合は、必ず医師または薬剤師にご相談ください。当サイトの情報を用いたことによるトラブルや損害については責任を負いかねますのでご了承ください。

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