こんにちは、kuronaです。
今回は、2026年2月5日に行われた第84期順位戦C級2組9回戦、西川和宏六段と今泉健司五段の一戦を振り返ってみたいと思います。
先手は西川六段、後手は今泉五段。戦型は、三間飛車に構えた先手に対し、左美濃の囲いから後手が積極的に攻めていく展開となりました。
それでは、私が特に気になった局面をピックアップしてみていきましょう。
35手目:▲7七桂

第一感
この▲7七桂という手。私には、正直とても指しにくい手に見えました。 振り飛車側として左桂を活用したいのは山々ですが、このタイミングでは飛車の横利きが止まってしまいますし、何より△8六歩と突かれるのが気になります。 私なら、ここは▲5八金左と上がって、じっくり囲いを発展させることを考えてしまいそうです。
進めてみると
もしかすると、ここで単に囲いを発展させるだけでは、局面が膠着(こうちゃく)してしまうのかもしれない、と考え直しました。
というのも、私自身が指し手に困ると、これといった意図もなく囲いに手を入れてしまう悪癖があるからです。そうすると大抵、自分から動けなくなって局面が膠着し、焦って無理な打開を図っては形勢を悪くする……という失敗を繰り返してきました。
本譜の▲7七桂は、あえて△8六歩と誘うことで、局面が固まって身動きが取れなくなる前に「さばき」の形を作ってしまおうという意図だったのではないでしょうか。 実際、この後△8六歩からの歩交換こそ許しましたが、先手は滞ることなく駒をさばくことに成功しています。
76手目:△5五銀

第一感
△5六歩で先手の飛車を呼び寄せてから、△5五銀と当てた局面です。
これ、私は「△5五歩」と打って飛車を抑える方が自然だと思いました。 大事な銀は攻め駒として手元に残しておくべきですし、本譜はこの後▲8五飛と打たれて銀を狙われてしまいます。歩であれば、そんな心配も不要ですから。
進めてみると
ところが、局面を進めると△5五歩では攻め手が足りなくなることに気づきました。5五に歩を使ってしまうと、勝負所の△8六歩に使う一歩がなくなってしまうのです。
また、△5五銀であれば、後に△6六銀と繰り出す含みも出てきます。まさに「攻防の一手」。 私なら手拍子で歩を打ってしまいそうですが、どの駒を温存し、どの駒をぶつけるか、その判断の深さを痛感しました。
91手目:▲1五歩

終盤、先手が▲1五歩と端を攻めた局面です。
この手から続く端攻めの手順は、非常に参考になりました。 正直なところ、私は後手の2三の金があって非常に堅そうに見えるので、端には見向きもしなかったと思います。
このタイミングで端が通ると見極めたのは、さすがプロの眼力ですね。
端を攻めた後、今度は反対側から寄せていくという構想も分かりやすく、実戦で真似してみたい技術でした。
感想
今回の一局は、序盤から中盤にかけての、先手の鮮やかな駒のさばき方がとても参考になりました。 相手に攻めさせておいて、それを利用しながら駒をさばいていく。まさに振り飛車らしい、見ていて気持ちのいい展開だったと思います。
また、終盤に見せた先手の端攻めも非常に勉強になりました。私ならつい薄いところばかりに目が行ってしまいますが、今回の先手のように、鋭い端攻めから寄せに繋げる形を、ぜひ自分の実戦でも取り入れてみたいです。
参考資料等
・棋譜検索:将棋DB2
・図面作成:Shogipic

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