第52期棋王戦予選 冨田五段vs村田六段|中飛車の「さばき」を学ぶ棋譜検討

実践解説

こんにちは、kuronaです。

今回は2026年1月23日に行われた「第52期棋王戦コナミグループ杯予選」、冨田誠也五段と村田顕弘六段の対局を振り返ってみたいと思います。

先手の冨田五段が中飛車に構え、早々に▲5五歩と仕掛けていく激しい展開になりました。それでは、私が気になった局面をいくつかピックアップして見ていきます。

         図は24手目△4四銀まで

図は、先手の▲5六歩に対して、後手が△4四銀とかわした局面です。ここで私は、次の一手に注目しました。

第一感

本譜はここで▲7五歩と指しましたが、私なら▲6七銀と上がって受ける手を選びそうです。▲7五歩と突くと、△7六歩から後手に抑え込まれてしまいそうに見えたからです(実際、本譜もその進行になりました)。

考えてみると

もしかすると、この段階で既に「後の△5七飛からのさばき」を視野に入れていたのかもしれません。飛車交換になれば、こうした低い陣形の方が打ち込みに強くなりますよね。そうした遠くの構想があったのだとすれば、非常に深い一手です。とはいえ、特に問題がないのであれば、私ならやはり▲6七銀と指してしまいそうです。

         図は35手目▲5七飛まで

続いて、▲5七飛と浮いた局面です。この手は、私には到底思いつかない一着でした。

第一感

この局面、後手からの抑え込みがだいぶ厳しそうで、私なら先手を持っていても「ちょっと苦労しそうだな」と意識してしまいそうです。何も指す手が思い浮かばず、▲3八銀などと妥協して△5五銀と封じ込められ、そのままジリ貧で負けてしまう……なんて展開を想像してしまいます。

考えてみると

確かに、このまま△5五銀〜△5六歩となれば、本当に身動きが取れなくなります。しかし冷静に盤面を見ると、先手陣は低くて隙がないのに対し、後手陣は8筋に打ち込める形をしています。「さばき」を身上とする振り飛車にとって、この▲5七飛は局面を打開する絶対の一手だったのかもしれません。

         図は45手目▲6九歩まで

図は飛車交換の後、先手が敵陣に飛車を打ち込んでから、▲6九歩と打った局面です。

第一感

正直に言うと、最初は意味がよくわからない一手だと思いました。▲8二飛と打ち込んだ流れのまま、普通に▲8九飛成と成ってはいけないのでしょうか?仮に△6九飛と打ち込まれても、▲5九金で飛車を捕獲できそうですし、△5六歩にも▲5八歩で受かっているように見えます。

考えてみると

とはいえ、確かに何かの拍子に浮いている金を狙って△6九飛と打ち込まれるような「傷」ではあるので、それを事前に消した渋い一手だったのかもしれません。今の私にはまだこの手の真意を完全に理解することは難しいですが、いずれはこうした手の価値がパッと分かるようになりたいものです。

今回の対局は、先手が▲5七飛と軽く浮いて飛車をさばきにいった構想が、とても勉強になりました。私なら間違いなく発見できずに抑え込まれて負けていたはずですが、こうした手が指せれば、振り飛車はもっと楽しくなると思いました。

ちなみに本対局は、最後は先手が鮮やかに詰まして勝たれたようですが、私には全く読み切れない領域でした。詰将棋などで終盤力もしっかり鍛えなければ、と改めて感じた一局でした。

・棋譜検索:将棋DB2
・図面作成:Shogipic

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